活動報告

第13回研究会「海外と日本の経営環境と老舗企業の比較」

2018年5月7日

第13回研究会の様子



2018年4月6日(金)六本木のハリウッド大学院大学にて、第13回研究会『~韓国における第一線の経営学者からみた~海外と日本の経営環境と老舗企業の比較』を開催いたしました。今回の講義では、多摩大学 経営情報学部教授の趙 佑鎭(チョウ ウジン)先生を講師に迎え、韓国と日本の企業比較をテーマに講義を行いました。


100年超企業の日韓比較について共有する趙先生



冒頭、趙先生より100年超企業の日韓比較について共有がありました。日本には100年超企業が2万5千社以上存在することは、当機構研究会においてこれまで何度もお伝えしてきましたが、韓国にはなんと7社しか100年超企業が存在しないそうです。韓国全体の企業数が約60万社ですので、全体の0.001%という計算になります。45年以上続いている企業も全体の0.1%しか存在しないので“韓国は永く続く企業がとても少ない”ということが分かります。それはなぜなのでしょうか。

大きな理由を挙げるとすれば、韓国は世界大戦時、日本の植民地であり、正式な建国が1945年であるということです。ただし趙先生は、本質的な原因は韓国人の“考え方”によるものだと主張しました。そもそも韓国人は、「事業の承継」に対して否定的な考えを持っています。例えば、親が創業者で子が後継者という場合は、後継者に対して「親の七光りで社長になるのか…」という見られ方がされます。また、政治と経済の癒着が激しいことから“企業家”自体が尊敬されにくい職種のため「経営者になりたい」という若者が少ないという事実があります。さらには、韓国では儒教の影響が強く継続性には血の繋がりを重視しているため、“養子”という発想はありません。そのため、親族以外の専門経営者に事業承継された場合、別会社と見なされ存続していることにはならないのです。



講義の様子


上述した韓国人の性質、考え方、民族性が要因で長寿企業が少ないということを趙先生は話しました。この現状に対して、韓国政府も持続的な雇用創出と社会的責任を果たしている企業を支援する制度を構築しました。企業が継続的成長を支援しようという動きです。
しかし趙先生は違う視点を持っており、100年超企業を増やしていくためには、制度以上に“哲学的視点”が必要であると語りました。そして「愛」や「仁義」という哲学的な徳目を備えることで経営者の人間性を豊かにし、その延長線で「持続可能な経営モデルこそ社会に貢献する」ことに気付くのではないか、と強調しました。
超先生曰く「明日の自分のことさえも不透明な世の中で、自分が確実に生きていない100年先のことを考えることは、とてもすごいこと。まずは、我先ではなく、何がしかのためにという哲学的視点を持つことが、韓国に長寿企業を増やす一歩ではないか。」と話を締めくくりました。



去年の済州フォーラムについて話す桑田さん


趙先生の講義終了後は、当事務局より韓国の済州島で行われるアジア版ダボス会議「済州平和フォーラム」についてご案内いたしました。また、昨年の「済州平和フォーラム」所感を昨年参加者の桑田晋一さん、当機構副代表理事の大高英昭よりお話ししました。
「済州平和フォーラム」は韓国で行われる極めて社会性の高いイベントです。ご感心のある方はぜひご参加ください。

懇親会の様子


研究会終了後には講師を交えて懇親会を行い懇親会には当機構の理事・監事、会員、研究会参加者の約15名が参加し交流を深めました。





次回、第15回研究会は6月1日(金)16:00~18:00に開催します。
同じくハリウッド大学院大学にて、元祖くず餅屋の「船橋屋」8代目当主である渡辺雅司さんを講師に迎え、「~100年企業に学ぶ、永続経営の秘訣~創業213年船橋屋が実践する”伝統と革新”とは」をテーマに講義を行います。
ご興味のある方は是非奮ってご参加ください。