活動報告

第12回研究「〜継続性とは何か?〜海外と日本の老舗企業の比較」

2018年2月28日

2018年2月2日(金)六本木のハリウッド大学院大学にて、
第12回研究会『「継続性」とは何か?海外と日本の老舗企業の比較』を開催いたしました。 今回は、ポーランド老舗企業研究の第一人者である、オレイニチャック・トマッシュさんを講師に迎え、海外と日本の老舗企業比較をテーマに講義を行いました。


冒頭、トマッシュさんより海外の方が感じている“日本の印象”について話がありました。
海外の方から見ると、日本は「継続性の大国」、つまりはあらゆるものが続いていく国だ、という印象が強いようです。
例えば“天皇制”、“神道”、“相撲”や“能”に代表される文化、芸術。日本に生まれ育ち、その存在が当たり前である私たちではなかなか気づくことができない視点に、参加者も皆「なるほど」と感心していました。
海外(おもに西欧諸國)では、戦争が起こるたびに王が交代し、先王は処刑されてしまうケースも少なくありません。そのため日本の天皇制は海外からは特異に映るのだと言います。また、国の領土も幾度となく変化しています。思想や宗教も時代によって変わるため、ポーランド人というアイデンティティそのものが希薄であるとトマッシュさんは説明しました。そして驚くべきことに、ポーランドは大戦時に国自体が一度消滅しているのです。そのため、自らの血筋に対して関心がなく、貴族でなければ“家族”という枠は“祖父母まで”なのだそうです。家系という概念自体がないということでしょう。
このような前提をお伝えした上で、同じ“100年企業”と言ってもポーランドと日本では内容が全く異なっているとトマッシュさんは強調しました。


講義の後半では、ポーランドと日本の100年企業を比較し、「継続性とは何か」という点について学びを深めました。ポーランドには396社の100年企業が存在します。その中から百貨店経営を行う「Jablkowski Brothers Department Store(以下、DTBJ社)」を事例に、日本の「資生堂」との違いをあげていきました。
比較のポイントは「継続性」です。両社は同じ“100年企業”というクラスに所属していますが、一体何が継続していて、何が継続していないのか。
例えば、両社とも継続しているのは「社名」「本社所在地」「経営ファミリー」「経営理念」です。しかし、DTBJ社には「コアビジネス」「コア技術」「製品・サービス」「法律上認められた所有権」の継続性がありません。共産主義時代に会社を国有化され、ファミリーの手を離れていってしまった経緯があるためです。反して資生堂は全ての項目に継続性が確認されています。 トマッシュさんは、名前や所在地が同じというだけで「継続性」があると言い切れるのか、と疑問を投げかけます。つまり、同じ“100年企業”と言ってもその強度は実に様々であるということが分かるでしょう。


研究会終了後には2018年の新年会も兼ねて、懇親会を行いました。懇親会には当機構の理事・監事、会員、研究会参加者、約10名が参加し、交流を深めました。

次回研究会は、4月6日(金)16:00~18:00、同じくハリウッド大学院大学にて、多摩大学経営情報学部の教授である、趙佑鎮さんを講師にお招きし、「韓国と日本の経営環境と老舗企業の比較」をテーマに講義を行います。
ご興味のある方は是非奮ってご参加下さい。


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