第4回研究会のご報告「長寿企業を生み出す日本文明」
2016年4月10日
第4回研究会「〜21世紀に世界中が求める経営モデルの要因〜長寿企業を生み出す日本文明」
を実施いたしました。
今回は、当機構の代表理事であり、
100年企業研究の世界的権威である日本経済大学後藤俊夫教授による講演を行いました。
まず、日本の国民性についての長短所の解説があり、
日本の精神性を語るにあたって重要である神道の特徴について、
安岡正篤の『日本精神通議』をもとに説明がありました。
次に、長寿企業に見る日本文明の特徴として、
①和の精神(共同体意識)、
②文化的な相対主義、
③精神性のさらなる向上(良きものの追求)
の解説がありました。
特に、福沢諭吉の言葉を用いながら、
企業と社会の関係性について 「長寿企業は総じて社会的な存在である」との分析には、
参加者の皆様からも賛同の声があがっていました。
講義終了後は受講者より、
「日本企業が持つ共同体意識はどこから来ているものか」という鋭い質問をいただきました。
後藤代表理事は「基本は神道であるが、仏教でも『和』を大切にする意識がある。
儒教には『和』という言葉は出てこないが、だからと言って排除するのではなく、
異質なものをも取り入れていくところに日本企業の強みが現れているのではないか。」と回答し、有意義な議論がなされました。
最後に、後藤代表理事より「長寿企業は単にテクニックとして生まれたわけではなく、
日本文明という確りとした基盤があった。
ビジネス以外の分野でも私たちの身の回りにある様々なものの良さを見直し、
それが帰結するところを考えていただきたい。」との言葉がありました。
そして盛況のうちに第4回研究会は終了しました。