第6回研究会「廣池千九郎の道経一体思想と永続的経営」 2016年8月19日 2016年8月5日(金)東京都千代田区にて、 第6回研究会「廣池千九郎の道経一体思想と永続的経営」を実施いたしました。 今回は、廣池千九郎が創立した麗澤大学で教鞭を取られ、経済における利他性、 コミュニティ論等を中心に研究されている大野 正英氏による講演を行いました。 はじめに、概略として廣池千九郎という人物について、廣池千九郎が唱えた「モラロジー」という考え方をご紹介いただきました。 廣池千九郎は元々は小学校の教員であり、歴史を学びながら博士号を取得したそうです。 この時の猛勉強が祟り健康を害した廣池は、これまでの自分の人生を見つめ直すことで、 「道徳」を科学的な手法で明らかにしていこうと考え、モラロジー(道徳科学)を研究するようになったそうです。 続いて、大野先生は 「道徳と経済は一般的には別々のもののように思われているが、人間生活を支える2つの柱です。」と述べ、 「人間の精神生活の基礎は道徳にあり、物質生活の基礎は経済にあり。両者も本来一体のものであるべきである」 という廣池の言葉を用いながら、道徳経済一体思想についてご説明いただきました。 最後に、永続的経営と道徳との関係性について、廣池は 「自分の品性・実力を蓄えて、それに見合った経営をしていく」という考えを持っていたこともご紹介いただきました。 廣池の言葉には「善を積み重ねてきた家は必ず良いことが起こる」という易経の言葉の引用も見られるそうで、最も大きなポイントは精神の継承、徳の継承にあるのではないかとの考察がありました。 講義後の質疑応答では活発な議論が展開され、第6回研究会が終了いたしました。 ツイート