第10回研究会「陽明学から見た、100年企業における共通項」 2017年9月26日 2017年9月19日(火)六本木のハリウッド大学院大学にて、 第10回研究会「陽明学から見た、100年企業における共通項」を実施いたしました。 今回は、一般社団法人中斎塾フォーラムの深澤賢治塾長を講師に迎え、 100年企業と陽明学の共通項についてご講演いただきました。 冒頭、参加者の半数が「陽明学」を知らないことを踏まえ、 深澤氏より「陽明学とは何か」について説明がありました。 陽明学者・陽明学徒と言われる人物で、大きな実績を残した歴史上の偉人は、 佐藤一斎、山田方谷、河井継之助、三島中州の4名です。 彼らは陽明学を専門に学び、教えを実行に移していきました。 また、陽明学に影響を受けた偉人としては、西郷隆盛、高杉晋作、吉田松陰、渋澤栄一の名前が挙がります。 陽明学者・陽明学徒が誰かを知り、これらの偉人を読み解いていくことで、 陽明学についてのイメージが湧きやすくなります。 陽明学者・陽明学徒には共通している次の5つの特徴があります。 ①強烈な個性とカリスマ性を持つ。 ②強固な意志を持って実行に移す。 ③時代を先取りする先見性がある。 ④緻密な計画を立てて実行に移す。 ⑤人たらしである。(人付き合いが上手) 新政府軍を指揮した西郷隆盛、長岡を永世中立国たらしめようとした河井継之助、 江戸時代随一の財政改革を行った山田方谷など一人ひとりを読み解いていくと、 上記5つの特徴が共通点として当てはまることが分かります。 本質的には、陽明学とは行動の学問であり、己の体験から生まれてくる学問です。 そして、「思い立ったら即行動。それも命がけで行動する」それが陽明学のポイントです。 そのため、深澤氏自身も今回の講演を行うために、 まず当機構がどのような団体であるのかを知らなければならないという思いに至り、 9月16日に行われた第二回年次総会へ足を運んでくださったとのことです。 更には、講演で100年企業について話すうえで、実際の100年超企業を知らなくてはならないと、 直接下記の団体の代表の方にインタビューを行ってくださいました。 ・今年100周年を迎える、東和銀行 ・今年140周年を迎える、二松学舎大学 ・327年の歴史を誇る、湯島聖堂 深澤氏は正に陽明学を体現されており、「陽明学とは何か」を自身の体験から教えていただきました。 「なぜ、100年続く事ができたのか?」という問いに対しては、皆即答だったと言います。 それは「創業時(建学時)の精神を大事にしている」ということでした。 表現は違えども、3名が言っていることには共通点がありました。それは、 「伝統の重みを時々のトップは重々感じていて、創業時の精神に惚れ込んでいる。 惚れ込んでいるから、周りの人間に言い続けている。 言い続けた結果として創業時の精神を“次の世代へ伝える教育の仕組み”を作った。 そして、それが廃れてしまったらまた作り直している。」 ということでした。期せずして、100年超企業は皆同じ事を言っている。 これについて深澤氏は、これこそが100年続く秘訣・共通項なのではないか、とまとめました。 今回は「陽明学」という考え方から100年企業の共通項を探りました。 参加者の皆様にも新しい視点から学びを提供できたのではないでしょうか。 研究会終了後には有志で懇親会を行いました。 懇親会には当機構の理事・監事、研究会参加者の10名が参加し、交流を深めました。 100年経営研究機構では、これからも様々な取り組みを通して100年企業の英知を 皆様の経営へ役立てていただくための活動をしてまいります。 次回の研究会は確定次第別途ご案内いたします。 楽しみにお待ちくださいませ。 ツイート