【第108回100年経営研究会】開催報告(登壇者:株式会社田谷漆器店 代表取締役 田谷昂大 氏)
2025年12月16日
輪島塗の専門店として代々「塗師屋(ぬしや)」の役割を担ってきた同社は、124もの工程を経て生み出される堅牢優美な輪島塗の企画・開発から製造統括、販売まで一貫して取り組み、伝統の継承と市場開拓を重ねてきました。先々代は料亭・百貨店への販路を開拓、先代は文化財修復と建築素材への用途拡大に道筋をつけ、現当主は海外展開や新規事業に挑戦。「CRAFEAT」の運営や販売会社「The Three Arrows」設立、伝統工芸レンタル「LIFT」の展開など、輪島塗を今の暮らしへ根付かせるための取り組みを進めています。
2024年の能登半島地震では事務所・工房の全壊や新設予定ギャラリーの焼失など甚大な被害を受けつつも、いち早くクラウドファンディングを立ち上げ、「輪島塗ビレッジ」構想のもと創造的復興に舵を切り、職人の仕事と産地の再生を目指す挑戦を続けています。
今回の研究会では、分業制という輪島塗独特のビジネスモデル、伝統産業における革新的な販路開拓・商品開発、そして震災を乗り越え次の100年に向けた「伝統の継承と創造的復興」について、具体的な事例やデータを用いてお話しいただきました。





