活動報告

【第115回100年経営研究会】開催報告(登壇者:松井酒造株式会社 代表取締役・15代目 松井治右衛門 氏)

2026年6月23日

2026年6月9日、京都・出町柳で酒造りを続ける洛中最古の酒蔵・松井酒造株式会社 代表取締役・15代目 松井治右衛門さんを迎え、第115回100年経営研究会を開催しました。

享保11年(1726年)創業の松井酒造は、そのルーツを但馬国・香住に持ち、4代目当主が酒造りを始めたことに端を発します。その後、江戸末期に京都・河原町竹屋町へと拠点を移し、大正時代には現在の出町柳の地に蔵を構えました。相国寺や金閣寺をはじめとする寺社仏閣の御神酒を手がけるなど、京都の地で約300年にわたり酒造りを続けてきた老舗です。

一方で、昭和後期には地下工事による水質変化の懸念や日本酒需要の低下などを背景に、出町柳での酒造りを一時断念し、伏見での共同醸造へ移る時期を経験しました。そうした中で、14代目が蔵の復活を決意し、2009年に現在の鴨川蔵で酒造りを再開。途絶えかけた酒造りを、「洛中の小さな都市型酒蔵」として再び立ち上げた歩みが紹介されました。

今回の研究会では、松井治右衛門さんより、代表銘柄「神蔵 KAGURA」を中心とした無濾過・無加水・生酒を軸にした酒造りや、京都産酒米の活用、グローバルな蔵人チームづくりなど、伝統を守りながら現代的な酒蔵経営に挑んできた取組みについてお話しいただきました。また、都市部の川沿いという立地を活かした蔵見学やイベント、設備投資や新たな商品展開を通じて、若い世代や海外のファンとの接点を広げてきたプロセスにも触れていただきました。