【第116回100年経営研究会】開催報告(登壇者:山西水産株式会社 代表取締役 山西伸典 氏)
2026年9月2日
山西水産の創業は、明治12年(1879年)にさかのぼります。瀬戸内海、玄界灘、日本海と三方を海に囲まれた有数の水産基地である下関の地で、当初は水産物の運搬から始まり、時代の変遷とともに販売業へと進出しました。今日まで、ふぐの加工販売を中心に一般魚の加工販売も手がけながら、下関の地で伝統の味を守り続けてきた老舗です。
一方で、近年はふぐ消費の低下や、南風泊(はえどまり)市場における専門業者の相次ぐ廃業などを背景に、下関のふぐ産業は深刻な転換期を迎えていました。そうした中、当時の社長であったお父様が倒れられたことを機に、山西さんが28歳で異業種(保険会社)から家業へ参画。途絶えかけた地域の産業基盤を立て直すべく、約15年ぶりとなる南風泊市場の新規仲買人として参入を果たし、直接仕入れ体制を確立した歩みが紹介されました。
今回の研究会では、山西伸典さんより、「顔の見えるふぐ屋」を目指したYouTube活用によるダイレクトマーケティングや、若手経営者たちと設立した「下関ふく次世代ミーティング」を通じた異業種コラボ、地元活性化イベント「カオスやストリート」の主催、閑散期を活用した「ブランドプロデューサー部」の創設など、伝統を守りながら現代的な水産経営に挑んできた取組みについてお話しいただきました。
140年以上の歴史を持つ老舗水産問屋が、いかにして旧来の市場モデルから脱却し、下関の地で新しい価値や地域コミュニティとの共創を生み出してきたのか。長寿企業における事業承継、DXや異業種連携を通じた復活への挑戦、伝統と革新の両立について考える貴重な機会となりました。





